« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »

2008年10月

総合芸術高校

先日、勤務校の演劇の授業の見学に
総合芸術高校(仮称)の
開設準備にあたる先生がいらっしゃいました。
現在ある芸術高校の音楽科・美術科に加えて、
舞台表現科をここに新たに設置することが決まっています。
開校は平成22年度。
カリキュラムの編成など
進捗状況はどんな様子なのだろう…と
さまざま気になっていたことを
直接伺うことができたので
大変貴重な機会となりました。

勤務校の見学にもまた来ていただけるとのこと。
何らかの形で
今後もさまざま協力していければと思っています。
注目の学校、
どんなふうに立ち上がっていくのでしょうか。
とても楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

08中央発表会プログラム

今年度の高校演劇・都大会の
プログラムが決まりました。
たくさんの方のご来場をお待ちしています。


2008年度
第62回東京都高等学校演劇コンクール
第31回東京都高等学校文化祭演劇部門中央発表会
プログラム

会場:東京芸術劇場中ホール(池袋)


第一日目 11月15日(土) 午前9:30開場

10:00~10:55
都立千早高校
『ぼくんち』 作:廣井直子

11:15~12:10
都立西高校
『学習図鑑』 作:高泉淳子

12:50~13:45
都立小金井北高校
『春の魔笛 ~太宰治『葉櫻と魔笛』より~』
作:◎青木尚志

14:05~15:00
都立深川高校
『みんなぼっち』 作:○大山千尋

15:20~16:15
富士見丘高校
『隣のトコロ』 作:大橋むつお

16:35~17:30
都立神代高校
『100匹の魚』 作:○靏岡里紗

17:50~18:45
都立戸山高校
『アベケン1』 作:○阿部健一


第二日目 11月16日(日) 午前9:30開場

10:00~10:55
工学院大学附属高校
『君をこえる日』 作:○演劇部

11:15~12:10
日本大学第二高校
『strawberry sherbet, しばし秋』 作:◎宇田川豪大

12:50~13:45
都立芦花高校
『ここだけの話』 作:高橋いさを

14:05~15:00
拓殖大学第一高校
『音楽劇・山姥』 作:土田峰人 潤色:宮川知久

15:20~16:15
都立淵江高校
『ソラミレわたし模様』 作:○金児百合佳、塩屋愛実

16:30~
奨励賞授与・諸連絡

17:30~19:00
講評・審査発表

☆作者名の頭に付した○は生徒創作、◎は顧問創作を示します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

08城東地区第4日目講評および城東地区大会表彰

城東地区第4日目講評および城東地区大会表彰

審査員
ひぐち丹青さん(深川とっくり座)
石井強さん(文学座)
西垣耕造さん(東京演劇集団風)

■都立橘『Angel Tear』緋村カズキ・作
○人形、非常にしおんが人形らしい感じがあった。ぜろがしっかり引っ張っていった。二人がしっかり演じているから、周りが人形らしく見えた。
独白、語りがある。そこがポイントかと思った。見るときには、対象を作るといい。そして、そこに語っていく。すると言葉が出てくる、届く。誰かを見て喋る。たまに変えてもいい。見る対象を作る。言葉の頭ががんばると力が入る。届けようと思うと、対象を作ると、自然になっていく。
しおんがもっとよくなるには、もっと息を使うといい。苦しいときには浅い呼吸。音響、シンプルなピアノの音がとてもよかったです。ゼロが引っ張っているんだけど、エネルギーが腕に来ているので、もう少し歩きながら喋るとかすると対比が出てよかったのでは。
それぞれの人形に特徴があればさらによかった。
言葉が次の言葉にかかってくる、ということを意識できると更によくなるでしょう。
○この作品は既成ですか?ネットですか?作者がどういう人か分からないおもしろさがあって、台本がちょっと弱いかな、と正直思いました。若い作家かな、近未来的な作品というのは、その設定に安心して入ってしまうところがある。自分たちがこれを選んだというオリジナリティを出していく必要がある。アレンジしていいと思う。サイボーグというかそれを人間をやるのはいいのだけれど、その先に見えてくるのは人間のドラマ。
小劇場なりの、きっかけ・転換など綿密に計画立てるといいとおもいます。
○既成作品ということで、この作品を選んだのは、なぜ選んだのかな、と思っちゃいました。ここがいいんだ、ということを、もっと押していくといいとおもいます。人形って、僕らが思っている人形って、命がない。ここでは命がある。それを、お客さんに説得しないといけない。ここが少し分からなかったかなぁ。人間と人形の違いがよく分からなかった。台詞が、均等に並べられているという印象を受けました。芝居のおもしろさって、Aさんが喋っているときにBさんがアクションを起こす、そういうことをしてほしいな、と。
ドアは見えないところでもいいのでは。
近未来を創り上げるためには、確固としたおもいが必要だと感じます。背景とかで見せる工夫も必要かな。

■女子聖学院『原田牧雄の憂鬱』筑田周一・作
○これは先生が書いた本ですね。こういう傾向の作品は肩の力が抜けてみられます。本の力に助けられ、現実のアパートの住人があれだけ変化していくという役者の力。戯画化できる戯曲ですよね。女子が全員やっていたからこそできる戯画化が成功している例かな、とおもいます。女子校での演技術の良さが出ていたとおもいます。もう少しセンスの別な部分が見せられてもよかったかな、おしゃれな部分が出てきてもよいかとおもいます。
○楽しく見ました。先生が作られていることで、さすがだな、という印象を持ちました。装置から窓から壁から、あの発想にどきっとしますよね。非日常が日常の中に入ってきてもおかしくないな、と感じました。特にぼくは山田さん、だぼだぼのズボンを上げ下げするような演技、とてもおもしろかったです。非常に飽きさせない作品。台詞が考えられ照るなぁとおもいました。いろんなボキャブラリーを勉強なさっているなぁと感心しました。
○さらによくなるためには、六畳一間、と勝手に想像したのですが、その狭さをもっと出してもいいのかな。辻役、がんばっていたね。関西のヤクザやるときは、語尾をもっと出すといい。最後を詰めないで、最後の母音を押していくといいと思う。

■開成『UFO先生とそれからワタシ』桑嶋剛史・作
○ふしぎな、独特な世界を作ったと思いました。三人で、役としては四人分あるけれど、どういう展開になっていくのかな、と見ていました。ある独特のスタイルを作っていったな、と感じました。世界としてはどこに持っていくんだろう、と感じました。会話は漫才を見ているようで、最後の方で社会に出る不安をいってきて、なるほどこうなるのか、と感心してみていました。UFO,宇宙人ということで、宇宙人が呼んだんですかね。「そうでなきゃ」の台詞の後は何だったんだろう、など補完してほしいところもありました。
○大泉役、非常につっこみがいいですね。瞬間だけどとらえているからできるんだと思いました。三人で夢を語るところ、椅子に座ってみるとか使ってみてもよかったのでは。最後、ジーンと来ました。大泉の、先生に対する気持ち、西村先生の過去に対する気持ちとか出たらいいな。そうすると二人のコミュニケーションが生まれるはずです。
芝居というのは、役者の中に生まれるのではなく、役者と役者との間に生まれる。その、生まれたものが、客席に伝わる。演技というのは、感情移入よりも、驚きを作ること。
○作品的には、コンパクトにまとめて無駄のないところがよかったです。テーマ的に未来のことであるとか夢であるとか、それに立ち向かってあきらめないで行く、いろんなケースがあると思うんですが、視野が広がるとてもおもしろい視点であった。一方、どれだけリアリティを見ているものに与えられるか。便宜的なUFOじゃまずい。一定水準にいっているとは思うけど、ファンタジーにするのかどうか、ちょっとどっちつかずだった。

■都立白鴎『ZARA』内山文菜、米地彩・作
○よく、おもしろい発想をしたな、とおもいました。けっこうみんな、やりきった感があるかとおもいます。最後、ゾッとしました。ちゃんと人の何かを存在させる、そういう点が感じられた。雑誌モデルの1、2、3。ああいう役があるから、ZARAがやりきる環境ができるのかとおもいます。首締めるのおもしろいですね。締められる方が、しっかり協力して。最後のシーンの顔とかからだ、次に渡す身体が大切です。
○この作品も、台本的なことでいうと、とてもバランスがよく取れている。起承転結、無駄なく作っているところがよかった。変な説明もしないし。ゆず、彼女の心の変化がもう少し演劇的に成立するといい。なぜそういう人間になっちゃうの、というところがわかるといい。最後に心情を言う部分がある。やはりヒールはヒールで終わって、そこをもう少しうまくやるとよかった。狂気を感じるような時代を意識しました。
○なぜ魔女が出てくるのかな、そのことで売れて綺麗になって反比例するように嫌な性格になる、なぜZARAさんは半年後に顔が崩れる薬を飲ませたのか、もしかしたら、綺麗な心のままいったらなにもないけど、人間はやっぱり汚いこころなんだ…とかなれば納得いきましたが、こうなると、ただの女性として復習しているのか、そうなると、魔女はなぜ出てきたのか…そういう矛盾を抱えて僕はここにいる。半年後に崩れる、という設定なんですよね。ゆずを試すために、売れても慢心しないでいるならいいけど、慢心すると顔が崩れる、そういう設定かな、と思ったら違っていた。なぜ必ず顔が崩れる薬を渡したのか。

■都立荒川商業『新・戦国譚 ~最期の刻~』草間千春・作
○こういう芝居の作り方は久々というか、新鮮、やったな、という感じです。難しいステージングだったとおもいます。伊達政宗とか、あの時代の人たちを生で登場させたという二重構造になっていて、おもしろくまたやっかいな構成でつくりあげたな、と感じます。
造形的にも、早変わりとかで十分分かるし、よかったとおもいます。
○高校生が進路を決めるにあたって、戦わなければならない。それと戦国武将、自分の先祖をあてはめて、その二人も運命的に戦わなければならない、その発想がおもしろいと思いました。戦国時代との入れ替わりにもう少し工夫があるとよかった、もったいなかったかな。時代劇ということで、もう少し刀の使い方、立ち回り、衣装に工夫があるといいかな。
○幼なじみって、ここまで縁が深いという台詞、いいなぁとおもいました。殺陣にしても、もっと生かせるものがあるとおもいます。組み合って、離れるとき、ここにキレがあるといい。すごくシャープに見えてくる。ストップモーションは、苦しい姿勢のときほど、芝居はおもしろい。きつくしないとおもしろくない。

■都立深川『みんなぼっち』大山千尋・作
○構成がしっかりしていますね。歌から入るんですが、何気ない練習風景、自分たちの自己紹介がしっかりできていて、世界もしっかりできている。何かこれから始まるぞ、ということがよく分かる。事件が起こって、どうなるんだろうと引きつけられる。芝居の持っていき方がうまいですね。歌で始まって、歌で終わる。希望を見せながら終わる。これもうまいやり方ですね。非常におもしろく、よくまとまった作品でした。
○ここで、扇風機、シャープに動いてもいいんじゃないかな。観客に挑戦する。
殴り合いで、もっと使えるのは、膝蹴りが入ったでしょ、もっと飛べると思う、蹴られる方が。ストロボを使って動いたシーン、ここでのスローモーションは、もっと大きくやるといい。でないと、ストロボが生きない。
○あまり問題なく、素直に見ていておもしろかった。等身大を描くということは、良くも悪くも手っ取り早い。お客さんをどれだけ楽しませられるか、等身大の作品はより綿密に作らないと。よかったことはおいといて、細かいところですが、関口くんが、友達と買い物した時間帯が、夜中までかかってと言ってませんでしたっけ、夜中に悪い奴らに絡まれた、あれは夜中じゃない方がいいと思いません?そんな遅い時間じゃなくていいんだよね、直るなら直した方がいいかな。キャラクターが過不足なく描かれていて、バランスがよかったですね。余韻がある終わり方で、よかったとおもいます。
ど頭の三人の踊り、お客さんも乗ってくれるけど、いいのかな、とおもいました。意見の分かれるところかもしれませんが。

■都立足立『私の色の三原色』
○演劇の可能性を見せてくれたとおもいます。みんな全力で動いていて、体力芝居。しんどさに向かい合ったときに、何かが出てくる。舞台でつかれる、というのは大事なんです。みんながひとつひとつしっかり止めてるのがよかった。動きというのは出したら止めないと伝わらない。必ずしっかり止めること。顔はおもしろい方がいいですよね。小作さん、とてもがんばっていたとおもいます。ふっと力を抜く瞬間ができてもいいかな。感情とからだを反比例させると生きてくるかな。感情が高まったときにふっと力を抜いてみるとか。全部、感情のまま動かなくてもいい。がんばってよかった、を伝えるのではなく、そのとき自分がどんな状態なのかを伝えたいわけだから、あえて力を抜くような表現のをしてもおもしろい。
○狭い舞台、限られた空間で肉体表現に挑戦していてすごいとおもいました。彼女の生き方がダブっていました。家庭の問題が入ってきますよね、ひとつのパターンが提示されたわけですが、そういう図式は、もう少し軽く家庭の問題を扱うか、あるいは掘り下げるとかしたらいかがでしょう。
ドラマだからできる膨らませ方は所々よくできていた。部室で荷物を運ぶ、石膏像がころすになったりするのはいいんだけど、工事現場にすんなり移っていく、ああいう表現は上手に作られていたな、とおもいました。
○めまぐるしい展開、明るさはなんだろう、と思ってみていました。ラストに来て、ああ、こういうことをやりたかったのか、とおもいました。色の発見。そういうふうに見てしまうと、色で言ったらさわやかな情熱家の人が、どうして黒にこだわるのかな、この人のキャラクターは黒じゃないんじゃないか、と思ったんですね。

●中央発表会推薦校
都立淵江
都立深川

●奨励賞
江戸川女子
都立東
都立江北
都立飛鳥
都立本所
都立小松川
都立墨田川
日本大学第一
女子聖学院
都立荒川商業
都立足立

| | コメント (0) | トラックバック (0)

08城東地区大会・第3日目

東京都高等学校演劇コンクール
城東地区大会第3日目の講評です。

この日の審査員の方々は…
ひぐち丹青さん
林成彦さん
西垣耕造さん
の、3名です。

前回と同様に…、
このメモは審査員の方々の監修を得ていないので、あくまでも私の聞き取りメモで、文責は「ひらり」にあります。
ただ、各部活の活動の参考になればさいわいです。

■都立小岩
○たいへんですね、役者二人でね。私は物語の全体がどうなっているのかを意識して見ますが、現代社会にマッチした作品だと思いました。人間の闇みたいな、誰にもわからない、心の海と書いた心海。
二人だと掛け合いになってしまうので、そのへんは難しいとおもいます。
変化の仕方が甘いかな、小道具とか工夫を凝らしたらいかがでしょう。
人間じゃない人間が出てきたとき、はっきりとした変化、何が出てきたのか分かるとよかったかとおもいます。
前半は、何気ない、ふだん思っている軽いおしゃべりが進行するのはいいとおもいますが、軽い分、流されているかな。軽いけど、しっかり作っているという感じがほしいかな。
その後、お墓を作っていくというのは映画「禁じられた遊び」に通じる恐ろしさが出てよかった。
整理をもっとうまくすれば濃密な作品になるとおもいます。
○脚本のボキャブラリーが豊かだなぁと思いました。言葉に興味のある方の書かれた本だなぁと思いました。おおぐちぼや、が一番関心を持ちました。今ひとつ、観客にインパクトを与えられていないかな。この台詞を言うときは、観客にもこのビジュアルがありありと思い浮かぶような、写真を用意するとかの工夫が。
観客の身体のボキャブラリーが少し足りなかったかな。ここが放課後の図書室であるということを、俳優の身体で表現できるとよかったかな、とおもいます。立ち位置とかミザンスとか。リコーダーをトーキングドラムのように使うのはおもしろかったです。工夫がもっとできるとおもいます。ホームルーム、何で間違えるの、というのとても自然で生き生きしていた。逆に言うと、そこ以外は俳優が台詞に振り回されているかな、という感じがありました。台詞の言い方より、コミュニケーションの取り方に意識を持ってください。
○おもしろい本だなぁ、とおもいました。言葉の持っている力、社会とかに突き刺す力があったと思いました。江戸中期の国学者、本居宣長の「事=言」ということばを思い出しました。いい意味でゾクッとするようなたくさんの言葉が出ていたとおもいます。リコーダー、リアクションから入るという点からもとてもよかったとおもいます。例えば…、割り箸を加えさせて何か言う、「知らないよ」なんていう言葉を封印されたときに、それでも何かを言おうとして出てくる何かがある。意味を伝えようとしない、そんなリアクションが出ていると思いました。
身体の下からグッと入ってくる力、中から、下から出てくる力が出ると、その身体の使い方をやるといいかな、と思いました。

■本所
○力のある演劇部。装置が綺麗、転換も工夫がされている。発声が自然、口跡がきれい。基礎訓練を十分やっていることが伺える。スキのない上演でした。
雑踏のSEが大きいかな。雨音のシーンが三つ続きましたが、やや音が大きかったし、SEがなくても雨の表現ができていたので、SEがなくてもよかったかなと思いました。
小料理屋のシーン、二人の表情がとても自然でした。もうちょっとあのシーンは間があってもよかったのかな、とおもいます。気持ちよく飲んでいるときって、あまりしゃべらないんですよね。はなちゃん、男性として舞台にいるのか女性として舞台にいるのか分からなかった。でもだからこそふしぎな魅力が出ていました。
私は、この作品は、関西弁を使わなくてもいいんじゃないかな、と思いました。自分たちだったらどんな言葉をしゃべるかな、と考えました。携帯もインターネットもない、95年の高校生のことをいろいろ考えました。自分の言葉で是非見てみたいと思いました。
関西弁をしゃべらないでいて、でありながら、終幕近くの、としのりのモノローグ、あそこだけ、必死に関西の言葉をしゃべるといいかな…とか思いました。そんな演出上の仕掛けがあると、東京の高校生ならではの作品となるかと。
○関西弁よく頑張ったとおもいます。私は出身が神戸の隣町、高校が震災で被害の一番ひどかった長田にありました。震災のとき、トラック運転してください、と大学の後輩から言われたのを思い出しました。ジーンと来ました。いい芝居、よく作ったと思いました。
これ以上、感情移入しないこと。これ以上すると、違って来ちゃう。感情移入より、驚き・発見を作り出すことが大事です。自分の情緒で支えながら、相手に対する感情で芝居していく。最後のトイレのシーン、よくやっていた。だからこそ、鏡をつかったらどうか。鏡を必死になって見る。最後は、もっとがんばれるかな。鏡を存在させたらどうか。
芝居とはなにか、というとき「芝居は人間が人間の前で人間のために物語るもの」と考えます、それができていたかな。
○朝、テレビをつけたら一面焼け野原で、これ、日本?と見た覚えがあります。え!と驚くばっかりでした。ぼくは直接の被害者ではない。今でも消えない何かをみんな持っている。でもスタートしなければならない。そういう意味では、しっとりと作られた作品だと思いました。人の行き来、いろんな不幸があるけど、当事者も関係ない人も行き来をしているんだ、ということがよく表現されていた。
あの、傘、ハーモニカのシーン、すごくスキですね。映画の洗練されたワンシーンを見ているようでした。ああいう被害、どこに、だれにぶつけていいか分からない。ゆたかくん、おもいが生き生きと描かれていて、だからこそ泣けてしまう。
当時と今を行き来する…場面の転換の処理がもたついている。柵みたいなものの転換の処理をもう少し工夫するといかがでしょう。

■竹台
○非常にいい男優陣がいますね。個性というか、しっかり自分で自分を理解している。「私はそれなりに楽しく過ごしています」というのがおもしろかったです。
人生設計士の助手、もう少し楽しくやっていい。転換でうまくいかなかったことを、そのまま芝居にしちゃってもいい。トラブルをいっぱい処理しながら、芝居にしていっちゃえばいい。コミカルにして、助手なりにやって、師匠から「いい仕事だ」と言わせるようにしちゃうのもいいかも。コミカルなことで、周りを変えていく。お芝居は上手にやることが目的ではなく、揺り動かしていくこと。失敗の中に発見すること。いっぱい失敗してはちゃめちゃな中から生まれるものを探ってもおもしろいと思いました。ぜひチャレンジしてください。
○芝居の中で「人は変わろうとしなければ」、そんなことを言っていたけどそれをやろうとしたのかな。
仮想世界、よく分からなかったです。ちょっと曖昧模糊としたものが出てきて、説得性がないな、とおもいました。
切り取ってみると、おもしろいシーンがたくさんありました。けど、あれが人生設計士とどうつながっていくのか…流れ的にはどうなんだろう。ときこさんはどうして死のうとしているのだろう…そういう、悲観の仕方をして死んでいくのも、希薄なような気がします。きっかけとして立ち直っていく、その仮想の世界でもう一つ事件がないと、死のうとした人間が戻れるのか納得いかなかったところがあります。
変わろうとするところ、それが見えたのはよかった。もっと強烈なおもしろさを全体につなげる何かがあるとよかった。
○一人の女性を二人が取り合うシーンがよかった。すごい説得力でした。小田和正のシーンとか、ダンスのシーンとか、おもしろいシーンをからだを鍛えて非日常的な身体と言葉で観客を引き込んでほしい。今はまだ俳優の個性に頼っているかな、と思いました。
脚本の知念さん、とても意欲的に作品だと思いました。さめた男性と熱い女性の対比がおもしろいんですよね。情報は、モノローグではなく対話の中で提供する方がおもしろくなるとおもいます。
女が目覚めると男がいた、そんなシーンから初めて、最初の説明のシーンはカットしてもよかったのかな。
脚本の未整理な部分に手を入れて、からだを鍛えるともっといい作品になるでしょう。

■小松川
○今の、〈人と人が面と向かって本音を言わない〉ことを批判的に言っているのかな。嫌われたくないから嫌いになる、今の社会を反映しているのかな。非常に演技、声の言い回し、よくできている、会話の重なりとか少しずつ転換して行く方法、魅力的ですね。
転換でひとつ、今日、夕食いらないから、のあとの転換、ちょっと無機質だったので、役でやったらどうでしょう。喧嘩のシーンで、やめろと止めるシーン、タイミングがあっていてよかった。
パソコンを使うこと、へいしんじゅつし、心を閉ざしてというこの人たち、具体的に何をするのか分からない。ラグというのも何者なのか、ちょっと尻切れトンボ、前半おもしろかったのにちょっと残念。
○智慧があるなあ、すごいなあ、と転換について思いました。ルイが走って出て行った後、青空教室だ、いって出て行くのはおもしろかった。随所におもしろいところがありました。ルイが隠れるところもおもしろい。なんなんだろうこれは、とおもいました。
へいしんじゅつしという職業の書き込みが足りないなぁ、とおもいました。役割とか。存在意義が問われるときのお話、ラグのコンビネーションのお話のプロットの関係がやや薄いかと思いました。
ゆうじ役のかた、自然でよかったです。目つぶしとかもすごいですね。脇のキャラクターが中心のキャラクターを支えていました。
○コンピューターの次の発想、これはおもしろいと思いました。転換はとてもいいですね。だからこそ、椅子を持ったときに、固定点というものを使う。身体はいっぱい動かすけど、椅子は動かさない。どたばたしていても、安定して作られている感じで見える。
ものを持ったときには、それを固定する。
リアクションが取れているので、テンポがとてもいい。小さな変化のリアクションもよく考えてください。
台本最後のページ、「…」がたくさんありますが、この…をどう表現するか。どんな身体の表現を使えるか。見るとか、息を抜くとか、前に出るとか、工夫してください。

■墨田川
○周囲となじめないさやかに対比させる存在としてカメレオンというものを作ったのがとてもおもしろいと思いました。カメレオンとして登場した方の演技がとてもおもしろかったですね。一番最後のシーン、さとうくんが、さやかと話しているときにシーンがとてもよかった。本にちゃんと意識が向いていて、リアリティを感じた。台詞を言うことに一生懸命になることが高校演劇では多いのだけれど、見事だな、とおもいました。
オープニングの一番最初のシーンは、もしかしたらなくてもよかったのかな。放課後の教室のシーンからできましたよね。いきなり転換が入ったので、もしオープニングをするなら、もう少し長くやってもよかったのかな。
上手の前側の椅子が一脚だけのったままだと、不在が強調されてしまう。けれど強調されるべきキャラクターではなかった。早く降ろせば、誤解を生まなかったかな。
タイトルが、非常に個性のあるタイトルだと思うのですが、内容に対してベストなのかな…とおもいました。
○カメレオンは脳で考えるよりも周りを捉えて変えていく、俳優もそうだな、と発見しました。いい会話をしていましたね。企画書の完成の時のうごきもよかった。細かいしぐさに気を回すでしょ。異質なものをやろうとすると、研究するんですよ。偏見を捨てて、その役をスキになること。興味を持って、発見すること。そうすればいろんなしぐさを研究できる。
Cがリボンをつけるところ、ジーンと来たりしました。身につけるものをつけてあげる、とっても意味を持つんですよ。
さとうくん、小道具ととても仲良くしているな、とおもいました。
さやか、とても難しい役をよくやっていると感じました。異質存在を受け容れるという葛藤があるところをよく演じたと思いました。最後に前を向く勇気があるといいかな。
○自分自身捜しというのかな、自問自答していくところ、好感をもって見ました。普通でいろよ、よく使うけど、自分らしく、普通、ってなんだろうっと自問自答していくのはいいな、とおもいました。
仕事だったらマニュアルがあって、というあたり、
ゲームを出すのはどうかな、とおもいました。比較であったら生活と同じものを出したらどうでしょう。
仕事というのは、その通りやらなければうまくいかないわけだし。
カメレオン、非常におもしろいです。納得しました。説得力がありました。あれで舞台が進行していくわけで。転換もおもしろいですね。転換を見せるんだから、役として、やったらどうでしょう。

■東京成徳
○いい意味でゾクッとしましたね。あんなのがあったら、こわいな、と。それだけインパクトがありました。一見、すごい話し。それをよく進めていった。
会話をしているときの身体、客席に対する意識と、相手に対する意識があるんだけど、客席に対する意識が少なかったかな、と感じました。両方を持つと、自分の意識が変わってきます。もう少しからだ、肩を開くと、背骨の上に頭が乗る。ズバッと言える声が出る。ニュートラルな身体、どこにもギヤが入っていない身体、そんな状態を作ってみてください。ちょっとした変化、そこが表現できるんじゃないかな。
黒い本役っておもしろかったですね。自由な動きができますね。
教室の中、家の中、外のとき、さまざまな身体の違いが表現できるかな。ニュートラルな状態が作れるようになると。
○忘れられない黒い本…私の計画ができない、計画って何だろう、興味持ちましたね。消すことができる本。なんだろう。もしかしたら…と、次々に消していくのかな、怖いな、どういう展開になるんだろう…というとき、ゴミがなくなったときとか
浅いかな…ぼくには、世界が分からなかったんです。妹になりすます、どうやって成り立たせるんだろう、それが分からなかったんですね。
なぜ世界を消すんだろう…なぜ連絡ができたんだろう、など説明がなく…
消すほどの必然もよく分からない。
取り戻す本があるのもご都合かな…
商人が得体の知れない…どんな商人なんだろう、そんな世界が信じられず、入っていけなかったんですね。何を伝えようとしているのかをはっきりさせる、もう少し突き詰められたら。
○ふしぎなアイテムがあって、それに翻弄される人たち。アイテムに人格があるというのはおもしろいな、とおもいました。このおもしろい発想を、十分にまだ生かせていないかな。主な場所が、教室と家と公園。果たして、三つを舞台上に用意する必要があったのかな。場面転換の回数がだいぶ減らすことができるのでは。なるべく転換は減らしたい。場所をひとつだけでもできたかもしれない。
登場人物の割り振り、兄弟姉妹の設定がどれほど効果的だったのかな、みんなクラスメートじゃいけなかったのかな、とおもいました。姉妹になると、親や他の家族はどうなんだろう、と気になってしまう。
なぜ家族にしたのか、という説得力がある必要があったとおもいます。
しがない商人、だったら他にどんな商品を持っているのかなという意識が生じます。それに触れられていないので、もったいないなあとおもいました。人間関係がどのようにぶれて、落ち着いていくのかなどもっと深められるとさらによくなるとおもいます。

■日大一
高校生には見えなかった。役の年齢に見えました。非常にしっかりした演技、言い回し、感心しました。場面が変わらないのに、いろいろできる。とてもうまい処理の仕方をしていると思いました。ナースステーションにも病室にも見えました。セールスの古屋さん、ニュアンスがとてもいい。調子のいい言い回し。エンジニアの淡々とした語り口とシャーペンには熱く語るところもいいですね。
タイムマシンが工場になっていく、あれもいい。助手の衣装もいいですね。計算されているな、という印象です。
「ひとつでも嘘があると興味がなくなってしまう」と成井さんが言っていますが、嘘がないな、とおもいました。
一点だけ、転換で、青木さん、次の患者さんと変わるときにすうっと立って行くのは、見ている方は死んだとおもっているので、工夫があるといいかな。完成度高いと思いました。は:切ない話しですよね、泣きそうになりました。障碍があると燃えますよね。ラブストーリーが二つあるんですよね。どちらも素敵だな、と思いました。
のがたさんのお見合いのシーンが始まったとたんに、あ、これは結婚する、とおもいました。身体の使い方がとてもリアル。仕事について言っている時の姿がいい。お見合いのときのズボンがずれているのもいい。
一個所だけ、すずたにの冒頭の台詞と同じ台詞を二回言う。ここは、モノローグからダイアローグに変わっているはずなのだが、そこの変化がなかったかな。ここは見ていて惜しいな、と思いました。見事な上演でした。
○たくさん上演されている作品ですが、みんなの芝居になってほしいな、とおもって見ていましたが、そうなった上演でしたね。小さいところの吉沢先生がさりげなくカルテを渡すところとか、そこに医者の存在感が出るとか、さまざま出ているなとおもいました。
のがたさんの態度の違い、お見合いのシーンとクロノスの前に立った瞬間、集中よりも更に夢中になる瞬間。それがまさに描かれたな、と思いました。
すずたにさん、よくやりきりました。ちょっと台詞が早くなったときがあった。もう少し、いろんなテンポが出てくるとよくなってくるとおもいます。必ず、役者は常に対象に対する感情、と言われます。相手に対する感情で役者は動いていく。起こしていただけますか、この人もうダメなんですか、に対しての「ちがいます」がどう出てくるか。自分の感情でなく、相手にどう伝えていくか。対象を意識すると、もっと変わっていく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

08城東地区大会・第2日目講評

城東地区大会・第2日目講評のメモをアップします。
(ごめんなさい。5日にアップしたつもりだったのですが、題名だけしか載ってない…と指摘を受けました)

審査員の方は…
大倉マヤさん
ひぐち丹青さん
西垣耕造さん
の3名です。

ここの講評コメントはあくまでも私のメモで、審査員の方々の監修を経ていません。各部の今後の活動の参考にするためのものであり、公式コメントというわけではないので、その点ご了解ください。また、聞き書きのアップであるため表現としておかしなものもあるかもしれませんがご了承ください。また、聞き逃したところもありますのでご容赦のほど。

■都立足立新田『これがわたしの歌。』作:○杉村麻美
○とってもよくかけてたな。とおもいました。大切な人のために歌う、いいテーマ。
ある若い子に、「演劇って何ですか」と聞かれたとき、「人間が、人間の前で、人間のことを、人間のために演じること」と答えた。いいテーマで書いたな、とおもいました。
よりよくするには、視線。見るということ。もっと作っていくといい。
見ると、動きを作り出す。見ているとおもしろさ、動きが生まれる。
お母さんが交通事故にあったシーンで、もっと見る。すると引き込まれる。後ろに立った人も、しっかりと見る。見ることで動きが生まれる。見ることで身体が作られる。
笑い方なんて忘れてしまったよ、というときの目。小さな動きでも変化が出る。人が変わっていく様子、変化は、視線をそらすだけで生まれる。見ることから関係が生まれる。気持ちよりも、見ることをまず作る。
森田役、とってもよかったですよ。目をそらすことも、見ること。
○合唱に誘われて歌えない、わかる。でも、お父さんの悲しみ…誰が死んでも悲しい。悲しみは一般論として弱いかな。悲しいのは分かるけど、どう悲しいんだろう。ここがよく分からない。
合唱に誘われたときに歌いたくない、意味深な約束…そこに興味はすごい引かれた。発展させていく台詞。だが、残念なのは、空気が動かない。空気が変わる、というのをあまり感じない。生理的な内面が出来てないまんまに演じてしまったかな。たとえば位置関係もあったりする。うしろに机があるせいで、動きが単調になってしまった。
目先を変える工夫、緊張感につながる場面作りが必要かな。
○高校のときに台本を書き始めたのがきっかけで、今台本を書く仕事をしています。
何回ぐらい書きました?(9回)一番すごく思ったのは、合唱部に誘うじゃない、誘っておきながら、テストの話をしちゃうところとかが気になりました。
私だったら、しおんちゃんだったら、親のこととか以前に、こんなに自分たちのことばかりしゃべってる友達の所についていくかな、と思っちゃう。
全体的に、台詞を言っていないときに、聞き続けることができていないかな、みなさんに見えることですが。役者さん一人ひとりが、台詞に書いていないことでも、どんなことかな、という全然関係ない裏の所を考える必要がある。
ずっとスーツを立ち話でしゃべっているお父さんがもったいないかな、座らせたりすることで変わってくる。事故のシーンで変わってくる、ここでコートひとつでもいいから羽織ってくる、そんな小道具で役者を助けることができる。
オープニングでいきなり歌、というのはハードルが高い。この歌を歌っている人たちが誰なのか分からないから。なにかここに歌以外のドラマ(例えば歌っていないしおんちゃんが後ろにいるとか)あるとよかった。

■都立淵江『ソラミレわたし模様』作:○金児百合佳、塩屋愛実
○泣きました。障子が閉まっていて、向こうに何があるんだろう。これはどういう流れの芝居なんだろう、と思った。30年代の時代が簡潔に表されている。新聞紙で弁当箱をくるむなんてうれしいな。メイクもいいな、30年代の高校生の顔をしていた。一人ひとりに一つ一つの悩みがあるんだ、という表し方、おもしろかったですね。本がしっかりしていた。親子で何があるんだろう、あれはできない、と電話での話しがある、何だろう…それがいっぺんではなく、りんこちゃんのはなしと並行していく、おもしろかったですね。自分だけがなぜそうなるのか、友達にわざと嫌みを言ってしまう、非常に人間的なものがうまく、押しつけがましくなく出ていて、非常におもしろかった。回想、りんこちゃんは立っていた方が良かったのでは。りんごのうた、♪よくわかる、のところが大きい声でよかった。
転換、しょうがないんですが、部屋の場面、塀でもあって、工夫ができればよかった。
いい顔をしていた、と僕はおもいました。リアクションとかよくできている。綺麗だった。
○私もおもしろく見ていて、引き込まれてみていました。皆さんの目力がよかった。
詰めの甘いところが気になった。ちょっと考えれば、これでベスト?ということがある。プロの舞台で、転換の時間に何もない、ということはあり得ない。お客さんの集中力をいかに切らさずにアイディアを出すか。ラストのおにぎりとかは、空をつかんでいるのはもったいないかな。
○お茶おかわりいるかい、すっと身体がかわるべき。身体が変わることで、お客さんも入っていける。息をいれたり、かえたり、変化をしていくといい。
ストップモーションの研究。みんなきれいな顔をしすぎていたかな。さらけ出して、そこで止める。そこがグッと来るところだとおもいます。
オープニングショー、やるならもっとやった方がいいとおもいます。

■都立葛飾総合『帽子屋さんのお茶の会』作:別役実
○今日唯一既成の脚本。どれだけ読み込めているかがキーになっていく。すごくみんなが思っていることにどれだけ引き寄せていけるか。帽子屋のお茶の会という言葉を、たぶんすごく苦労したと思うけど、イメージを寄せて言っているのかな、とおもいました。
例えば、私が言っているやきそばとあなたの言っている焼きそばは同じですか、ということができているか。
○帽子屋、三月うさぎの典型をやってください。人生のちぐはぐさ、それぞれを信じてくれないと。それがないと、しゃべっていても、お客さんが納得してくれない。衣装を作る、こういうしゃべり方にしたい、というアンサンブルが生まれてくる。もっと自由にできる。

■都立江北『赤毛のアン』作:○江北高校演劇部
○台詞のないときのいかた。台詞のない人が、台詞のある人を存在させる。
例えばメイドがいるということはとても大事。
動き、小さい動きを丁寧に。無対象であっても、動きはしっかり。対象を存在させる。何かに引っ張られる動き、パイに引っ張られる、というパイを隠すのではなく、パイを中心に動くとおもしろい。
○楽しく見ました。なにもおこらない平和な家庭、そこにアンが来るという事件が起き、人間の深さが深まっていく。
幕開き、色遣い見事ですね。傘がおもしろいけどじゃまだったかな。
キャスティングがよかったですね。
効果音、大きいかな。
場面転換、もう少し簡単にできるとよかったかな。
○台本をよくまとめたな、とおもいます。結局似たもの同士だな、ということをすごく簡潔にまとめたとおもいます。ダイアナへの伏線がもったいないな、もう少しあった方がいいかな、すごく急展開で仲良くなるけど。
マリラすごくよかったんですが、彼女の葛藤がもっと出てくるといいかな。アンのことを信じたいけど、状況的に紫水晶を取ったのはアンしかいない。そこから出てくる葛藤を。
自分は何を言われたら傷つくんだろう、ということを思い出して、そんな瞬間ができるといいかな。
歌の所、レイチェルのキャラクターを残したまま歌ってくれるとよかったかな。ラストに踊ったり歌ったりするときは、そのキャラクターが残っているといい。

■都立飛鳥『AIブレイン』作:○飛鳥高校演劇部
○ゾクッとしながら見た。
AIロボットが出てくる、科学技術の進歩、素晴らしいですよね、交通手段とか、でも一方でそのことで人が否定されるようなことであってはいけない、それが描かれている、心と心をつなぐ、そういうものとして意識できた。
平台で演技スペースが二重になった。二階の上にいる人の目線がちぐはぐだったのでもったいないな。広がりとしてはおもしろかった。
演技的には、いきいきとしていてよかった。相手役者を見る、聞く、そういう交流ができている。芝居として、役者として安心してみていられた。
ひとつだけ言うとすると、効果音。ICチップ、BGMが大きすぎた。台詞と喧嘩になっていた。効果音が多用されていた。台詞が生き生きと書かれているので、音楽を使うことで、イメージができすぎちゃう。台詞で泣かせることが十分できるので、もう少し整理した方がいい。
○すごくおもしろく見ました。私が高校のときに書いた本が、90のセレクションに入っている。女子高生が原子爆弾だった、という話。私は自分の中でSF的な要素についてよく考えるので、あえて気になるところ詰めてほしいところをあげてみます。
ロボットは痛くないのに、痛めつけている、私は痛くない、という世界観のリアリティをお客さんと共有できないといけない。
みんなで痛めつけているが、この子(ロボット)にとって、この痛めつけることってどういうことなんだろう。
ICチップ抜く、口では説明してるけど、
みんながロボットになったら、どう怖いのか、もっと詰めていけると思う。
「イキウメ」という劇団の散歩する侵略者、宇宙人が侵略のためにやってきて、いろんな概念を盗んでいく、家族を具体的にイメージできると、その概念を盗む。けれど、恋という概念だけは、みんなイメージできないから、盗むことができない。そんな本を三校にしてみてください。
恋がわからない、という言葉を出していながら、人は理由なく好きになる。
三由紀さん、経済力がある人が好きと言いながら、全然金持ちになりそうもない学生記者に惹かれていく。人間には、そんな論理的に割り切れない感情がある。
もう少し独自のアイディアで変えていける。一般論から、先に行けると思う。
芝居は、目の前でやるもの。だからこそ、ICチップを抜いた瞬間のAIの表情が見たい。
表情が抜けることができたら、ゾッとできる。いろいろ考えてください。
○みんなが、やりきったと思う。やりきることは難しい。伸ばすところを思いっきり伸ばさなければならない。みんなはきっとやりきって、グッと来たと思う。
感情とかよりも、自分の持ってる感受性。自分の持ってる感受性が出てくるといい。
一流、と言う言葉、見ながら、なんだろう、と思わせられるような台本になるといいな。
お芝居をやっていて、自分も含めた他者のために何かをやろうとする瞬間に、生き生きとする。
AIを殴った瞬間、なぐったり、警備員とか、大事です。ちょっとした瞬間でもやりきることが大事です。
細かいところですが、なるべく腕組むのは少なくするといい。
音響のこと、センスはいい。だけど、静けさを作るのも音響の仕事です。
これからもやりきってください。

■都立科学技術『It's show time』作:○中村納凡子
○楽しかったです。そういう空気が作れるのはいいですね。
根本的に、ライブとミュージカル、一緒にやれちゃわない?
ライブとミュージカルの違いって、ミュージカルは役の人が歌う。ライブは歌手が歌う。最終的にみんなができるのはいいけれど、対立がないと話しの軸がみつからない。
ミュージカルってなに?というところに目をつぶらずに。
世の中にミュージカルなんていらない、という人もいる。ミュージカルだから歌い始めるということに甘えがちだけれど、何でここで歌い始めるのかということに丁寧に。
心の中に何か入っていって、歌い始めるということにならないと。
クラス全員が、それぞれのキャラクターの裏設定を考える。私はこの人の意見には賛同するけどあの人には首を傾げてしまう、とか
歌っているシーンが、ただ歌っているだけでなく全員のキャラクターが分かるように
動きが、下半身が安定してない。こんなふらふらしてたっけ?というかんじ。止まることをやっていくように
○動きのこと、身体の芯をしっかりもつこと。芯があればいろいろ動いてもふらふらはしない。
伝わってくると科技高のみんなどうしたの?とおもってくる。
俺たちはこんなことを見せたいんです、という。
伸ばしきると、次の動きが出る。伸ばすときは思い切り伸ばす。
集中よりも、一瞬でも夢中になれる舞台があれば、みんなにしかできないミュージカルができる。
○ライブとミュージカルとの二つ、どっちつかずの人、いろんな人間がいて少しずつまとまっていくという展開はおもしろいと思いました。
転換、雑な感じがします。歌って踊ってスマートな感じはするけれど、ひとつ切れて転換する感じがして、芝居を止めて変えている感じがして残念。
楽器の音と台詞が重なって、集中が行かず残念。もう少し丁寧に。
全体でやっているから僕はいい、ではなく、ひとりひとりが集中して。


☆作者名のあたまの○は生徒創作を示します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »